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・過失割合を変化させる上で、保険屋が真っ先に狙って来るのが『互いの速度の状況』である。 保険屋の勝手な言いがかりに丸め込まれる事無く、正しい主張を行って欲しい!
私自ら出るっ!

速度の言いがかり


1、事故直前の状況

双方の言い分

 裁判が始まって最初に保険屋が出してきた書面には、言いがかりにも程がある内容が書かれていました。
 その言いがかりをまとめた物が左下の紺色で書かれた部分です。

【保険屋談! 驚愕のでっち上げ事故状況!】原告(団長)バイクは制限時速40kmの一般道を時速73.8km以上で走行していた際に、右折していた被告車両と衝突した。[状況:原告(団長)バイク=73.8km/h、被告車両6km/h、衝突角度=25°]【団長談! 実際の事故時の状況!!】原告(団長)バイクは制限時速40kmの一般道を時速40km以下で走行していた際に、急に右折していた被告車両と衝突した。[状況:原告(団長)バイク=40km/h、被告車両40km/h、衝突角度=90°]

団長のバイクは、速度を出せない状況だった

 事故は、私が停車していた信号が赤から青に変わった後の出来事でした。
 交差点で停車後に走り始めた私のバイクは、前を走る車両も有り、制限速度を下回る低速な状態で走行していました。
 同時に、道路状況も午後7:30という帰宅時間の混雑(渋滞)の影響で、高い速度を出せない状態でもあったのです。

事故発生直前の状況

 私の視点からこの事故を説明すると…
 団長 「トチ狂った対向車(被告車両)が、猛スピードで私のバイクの直前を横切ろうとした! そして、ブレーキをかける暇も無く、相手車両の左横っ腹に私のバイクが衝突した!」
となります。
 被告の自分勝手な運転が原因の、お粗末極まりない事故でした。
 しかも、その事は被告本人も認めている所なのです。。。

2、保険屋が言う時速73.8kmとは!?

速度が持つエネルギーの視覚化

 被害者はもちろん加害者の意見までも完全に無視して、保険屋は完全に独自の意見を出してきたのだった。
 しかし、ここで焦らず 『保険屋が何を目的に論述(言いがかり)してきたのか?』を考えながら読み進めると、背理法により保険屋にとっての不都合な真実を推察できたり、相手の矛盾を発見できる事があります。
 論より証拠。 以下で、私の事故を例に保険屋の矛盾を指摘します。

 まずは、保険屋が提唱する73.8km/hという原告(団長)バイクの速度が、本当に適切であるかどうか、速度を数値化して考えてください。
 実は、物理学の公式を使うと、速度(運動エネルギー)を高さ(位置エネルギー)に変換できます

運動エネルギー = 1/2mv2位置エネルギー = mgh

 これは、『73.8km/hの速度(運動エネルギー)で衝突する行為は、地上何メートルの高さから落とした衝撃(位置エネルギー)に等しいか?』を計算する等式を作る事ができるのです。
(※重力加速度gは9.8m/ssとする。)

『運動エネルギー=位置エネルギー』の等式による換算値計算。

 仮に保険屋が言う73.8km/hという事故直前の私のバイクの速度が真実であるなら…その時の衝撃は、私のバイクを21.44(m)上空から落とした時の衝撃と同じエネルギーのはずなのです。

言いがかり

 保険屋が言う、私のバイクの速度は『時速73.8kmだった』とする仮説。 でも、これは…ありえない事なのです。
 なぜ「ありえない」と言えるのか?
 まず、事故後、私のバイクは自らが走行していた道のど真ん中(車線内の中央)で停止(横転)した状態でした。(横滑り等は一切起きていない。)
 私が乗っていたバイクは、搭乗者も含め、その重さは軽く300kgを超えます。
 そんな重量の物体が21.44(m)上空から落下して、被告車両に衝突した後の破損状況が下の写真です。

事故後の被告車両の写真(横)事故後の被告車両の写真(後)

 実は、自動車のスライドドアで使われている鉄板なんて、押せばヘコむ様なペラペラな代物です。
 現に、扉は派手に損壊しているが、その割に車体はそれほど損壊していません。
 地上21.44(m)と言えば、ビルで言えば7階程度の高さに相当します。
 そこから重さ300kgのバイクが落ちて残した被害状況にしては…あまりに軽微な損壊だと言えるでしょう。
 保険屋が言う原告(団長)バイクの速度73.8km/hが本当なら、上図の被告車両を突き抜けたはずなのです!
 事故後、バイクは自らの車線内(中央)で停止。外部への横滑り等も起きていません。
 即ち、『事故時のエネルギーは全て上の写真の破損によって消費された』事を意味しています。(←この箇所が本件事故で最も重要な事実です。)
 つまり、この写真の破損状況から、原告(団長)バイクの速度は時速73.8kmよりももっと低い速度で被告車両に衝突した!と考えられるのです。

3、敵を知り、己を知らば…

狙いは「30km/h以上の速度超過」!

 保険屋が「原告(団長)バイクの速度は73.8km/hだった!」と言いがかりをつける理由は、あたかも原告(団長)に過失があったかの様にでっち上げて、補償する賠償金の金額を低くしようとしているからなのです。
 被害者(団長)側にも過失が有った様に見せる為なのです。
 裁判で原告(団長)バイクの速度超過が証明できれば、大きく過失が認められます。
 私の事故の場合、もしも保険屋が言う「原告(団長)バイクは制限速度を33.8 km/hオーバーしていた!」なんて嘘が認められてしまうと、過失相殺により受け取る補償の総額は2割以上変わってしまうのです。

【言いがかり】
 仮に1000万円の賠償を請求した場合、本来なら被害者は1000万円を受け取るべき事故であったのに、保険屋の根も葉も無い架空の事故原因によって700〜600万円、被害者の過失が大きければ500万円以下にまで減額されてしまう事だってあるのです。


 つまり、どんな場合であっても事故の事実と違う事柄は、絶対に認めてはならないのです。

相対速度でイカサマをすると、エネルギー的に帳尻が合わない

 保険会社はボランティアでもNPO法人ではないので、「原告(団長)に支払う補償を少しでも安くしたい!」と思う発想は当然な事なのです。
 つまり、私の事故では一番ガツンと原告への補償の減額が可能になる『原告バイクの30km/h以上の速度超過』を、裁判で認めて欲しくて仕方ないのです。
 だから何の証拠も無く「原告(団長)バイクの速度は73.8km/hだった!」なんて根も葉もない嘘を言ってきたのです。
(本来、嘘ではなく『仮定や仮説』と言いたい所だが、『バイクの速度とされた73.8km/h』は根拠も何も無い数値だったので『嘘』と表現させて貰います。)
 そして、その帳尻を無理矢理合わす為に、保険屋は『衝突時、被告車両の速度は6km/hでした。』と、嘘の上塗りを行ったのでした。
(実際の事故では被告車両の速度はもっと高かったが、その分の運動エネルギーを原告バイクに責任転嫁させたと考えられるのです。)
 原告(団長)バイクの速度が高かった様に思わせ、辻褄を合わせる為に被告車両の速度を低く設定したのです。
 すぐにメッキが剥がれる、その場凌ぎの考えだ…。
 そんな小手先の考えで物理的に説明が着くと思ったら大間違いだろう。

 先の項で説明した『73.8km/hでの衝突 = 21.44(m)上空から落とした時の衝撃』を証明する際に用いた運動エネルギー(K)を求める式を引用する。
 ・ 時速40  kmで走るバイク : K40 km/h =  1/2 ・ m ・ 123.4…
 ・ 時速73.8kmで走るバイク : K73.8km/h =  1/2 ・ m ・ 420.25
 以上より、  K73.8km/h ÷  K40 km/h = 3.404025 となる。
 これは、時速73.8kmで走るエネルギーは、時速40kmで走る場合の3.40倍もの運動エネルギーを持っている事を意味する。
 保険屋は原告(団長)バイクの速度を上昇させた分、被告車両の速度を減らす事で、帳尻を合わせたつもりなのだろう…しかし上式で明らかな様に、物理的には全く状況の異なった高エネルギー状態と言えるのです。

4、NASAが攻めて来た!@

前回までのあらすじ

 血迷った保険屋は、「原告(団長)のバイクは、時速73.8kmで走っていた!」と、ありえない言いがかりをつけてきました。
 なぜありえないと断言できるのか? それは、実際に起きていない事だからだ!
(被害者である私自身が、事故の状況を見ており、嘘だと知っている為。)
 ちなみに先の計算より、保険屋の言う時速73.8kmでの衝突は、21.44mの高さから飛び降りた時と同じ衝撃が加わる事になります。
(前述、『2、保険屋が言う時速73.8kmって、本当に正しい状況なのか!?』参照)
 ビルの7階ほどの高さから飛び降りたらどうなるか…たとえヘルメットを被って頭部をガードしていたとしても、ライダー(団長)の生命を脅かす結果を招く事は、誰でも容易に想像できるだろう。

暴走したのは私か?保険屋か?

 保険屋としては、「原告(団長)のバイクは、時速73.8kmで走っていた!」と言う言い掛かりが裁判で認められれば、しめたもの。
 原告(団長)バイクの速度が高いと、本来なら支払わなければならない補償を激減できて、保険屋にとっては非常にウハウハな状態になります。
 しかし…原告(団長)が生きている事実からも、原告(団長)バイクの速度はあまり高くなかった事が予想されます。
 少なくとも、『無制限に原告(団長)バイクの速度を上げて事故の原因を仮定する事はできない!』と考えるのが普通なのです。
 ところが、保険屋お抱えの交通事故鑑定人は調子に乗って原告(団長)バイクの速度を引き上げ過ぎて、実際の事故の状況とは全く掛け離れた状態にあたる『原告バイクの速度は時速73.8kmで事故が起きた!』と仮定したから、、さぁ大変!!
 保険屋は全て嘘で塗り固め、事故の原因を捏造する資料を作製して裁判に提出してきたのでした。

 時速73.8km…。
 普通なら、死んでる速度で生きている。
 そんな、嘘の事故原因の証明を行う際、保険屋は大胆にも『NASAの文献』を引っ張り出してきたのだった。

『時速73.8kmなら、死亡する』とNASAも証言!

NASAの資料
≪『図表6』より(↑一番下にNASAっ書いてある!)≫

 これがそのNASAの文献からの引用です。 保険屋が仮定する原告(団長)バイクの状況(時速73.8kmでの衝突)より、原告は斜線部分内の★印の状態であったとされている。
 ちなみに、小さい文字で見難いのだが、本件の事故における私の状態が印であり、その下を走る右肩上がりの2本の直線上に沿って書かれている説明(アンダーライン有り)『 APPROXIMATE SURVIVAL LIMIT(175-200G) 』に注目して欲しい。
 直訳すると、『 おおよその生存限界(175-200G) 』
(林洋 著『実用 自動車事故鑑定工学』(P220)では、『救命限界の概略値』とされている)。
 つまり…上のNASAの文献でも私は限界速度を軽く越えて、死亡する事を意味しています。
 時速73.8kmでの接触は『生き延びる事が不可能な状態』なのです。
 これが一番初めに保険屋お抱えの鑑定人が出してきた、私の事故の鑑定内容です。
 正気か?
 なぜわざわざNASAの文献を引っ張ってきたにも関わらず、原告(団長)が受けた衝撃は生存限界のラインを超えて『原告(団長)バイクのライダーは死ぬ!』なんて結果を出したのか?
(事故後、原告は生き残っているのだから、生き残った理由を言う必要がある! 一体何が言いたいのか???)

 本来であれば、「団長は生きてるのだから、速度は『 APPROXIMATE SURVIVAL LIMIT(175-200G) 』を下回るはず! つまり、団長バイクの速度は時速73.8kmよりもっと低かった。」…と結論が出されても、全く不思議ではありまあせん。
むしろ、これが自然な考え方です。)
 しかし…そうならないのが保険屋マジック!
 NASAの文献を引用した理由も完全に意味不明!
 原告(団長)側に先に使われる事を恐れて、保険屋自ら使う事でディフェンスしたのだろうか?
(逆に、『自爆スイッチを押した!』感が強いが…)
 まぁ…十中八九『ミス』だと思われます。(誤引用ではないかと…。)
 これは多分、死亡事故の際に用いる文献でしょう。。
 裁判で意味不明な論述(保険サイドの鑑定結果)を展開され…色んな意味でド肝を抜かれたのは、今となっては懐かしい思い出です。。。

5、NASAが攻めて来た!A

『200G以上なら、死亡する』とNASAは説明している!

NASAの資料の説明@(保険屋鑑定人)
≪NASAが言う『おおよその生存限界』は175〜200G。私の受けた衝撃は…。≫

 生きていれば『低速だった可能性が高い』のに、根拠も無く高速を主張する…。
 どれだけ保険屋がムチャクチャな理論を展開しているか…分かって貰えたでしょうか?
 保険屋の仮定は全て何らかの問題がある内容ですが、中でも特に酷いのは、(c)の
 「…破損中若干遅くなり 19m/s=68.4km/hであったと仮定し…」
とした箇所である。

バイクライダーにおける『慣性の法則』
≪Aがライダー、Bがバイクだと思って欲しい!≫

 保険屋が言う様な「破損中若干遅くなり…」となるエネルギーも無くは無いですが、上図の状況通り微々たるものなのです。(慣性の法則より)
 物理にあまり興味の無い弁護士さんだと、「73.8km/h → 68.4km/h くらいの速度変化は有るかもね!?」 なんて鵜呑みにしてしまうかもしれません。
 皆さんは騙されないでください!
 実はこれは、物理的に考えると凶悪な言いがかりなのです。

 ≪速度→高さの換算と、高さ→速度の換算≫
 73.8km/h = 20.5m/s 、 1/2mv2=mgh より h = 21.44m 、つまり73.8km/hは21.44m上空からの落下の衝撃と等しい。
 68.4km/h = 19.0m/s 、 1/2mv2=mgh より h = 18.41m 、つまり68.4km/hは18.41m上空からの落下の衝撃と等しい。
 その差は、高さに換算して 冑 = 21.44m - 18.41m ≒ 3.03m 、これを逆に速度に換算すると、約27.7km/hになる。
 以上より、保険屋は何の理由も無く「破損中若干遅くなり…」と言って、時速27.7km/hで衝突した際に原告(団長)ライダーが受ける程の大きなエネルギーを、誤差扱いにしようとしたのです。
 誤差で処理できない大きなエネルギーを、『小さく見える数字のマジック』を用いて誤差で処理したのである。
 (エネルギーは速度の2乗に比例。 たとえ速度の差が5.4km/hでも、73.8km/h→68.4km/hの状態ではエネルギーの差分の量は大きくなるのです。)

 エネルギーの大きさが想像できない人は、次の例を想像してください。
 『 高さが3.03mの飛び込み台の上から、下にワンボックスカーを埋めた状態にしておいて、頭から飛び込んでみて欲しい! 』
 たとえヘルメットを被っていてもその衝撃は大きく、とても痛い事は想像できると思います。
 つまりそれは、『それだけ大きなエネルギーを持っている状態である。』と言えます。
 断じて誤差で片付く範囲ではありません。
 
 100歩譲って、仮にこれだけ大きな『高さ3.03mからの落下エネルギー』を無視したとしても、68.4km/hでは263Gになります。
(無視しなければ、306Gだ! ちなみに、『おおよその生存限界』は、175〜200Gの範囲。 ムチャクチャな理論である!)
 NASAの理論で説明すると、生存した原告のバイクの速度は、G値換算値が175〜200Gの範囲以下でなければならない。
 そこから逆算すると、原告バイクの速度は55.78257793…〜59.63408421…(km/h)の範囲以下になるはずなのだ。
 つまり、図表6は「原告は生きていたので、原告バイクは時速60kmを超える事は無い!」と、逆にNASAが言っている様なものなのです。
 更に、事故の際は被告車両も動いていたので、その際の運動エネルギーを考慮すると『被告車両の速度分、原告バイクの速度を下げて考える』必要が有るので、原告バイクの速度は時速50kmを下回ると考えるのが妥当だと言えます。

 以上、原告バイクのライダー(団長)が生きている時点で、どれだけ上記の保険屋の言動が現実からかけ離れているか…理解して頂けると幸いです。

6、NASAが攻めて来た!B

7階から落ちても、生き残る方法!

 原告(団長)バイクが時速73.8kmで走っていて衝突した場合は死んでる事になる!
 はずなのだが…実際は生きている。。
 その状態を打開する為に、保険屋お抱えの交通事故鑑定人が満を持して提出した書面がコレ↓です。

NASAの資料の説明A(保険屋鑑定人)
≪乙第10号証 P5≫

 何の事やら分かり難い説明なので、簡潔に言ってしまうと
 保険屋「スライドドアがクッションになって、原告(団長)は生き延びた!」
と言いたいらしいのである。 しかも、

NASAの資料の説明B(保険屋鑑定人)
≪乙第10号証 P6≫

 保険屋「 衝突時の相対角度が浅かった & 手で踏ん張ったから、頭部の衝撃は少なかった!(だから生き延びた) 」
と言いたいらしいのです…。
 /( ̄ロ ̄;)\ マジで???(ちなみに後述しますが、これは完全に保険屋の嘘です。)

 私は右手の親指を脱臼骨折しましたが、それ以外に腕の怪我はありません。
 ハンドルを握っていた右手の親指が、衝突時の衝撃で脱臼し、更に骨折したのでしょう。
 ただ、保険屋が仮定する『ビルの7階から落ちた衝撃(時速73.8kmでの衝突)を腕で支えた』と言うのが本当なら、腕の骨の1本や2本折れてても不思議は無いと思うのですが…その様な事実は一切ありません。
(もともと腕で踏ん張ってないので、有り得ない仮定なのですが…。)
 裁判の中で保険屋からは、接触時の様態や接触場所、怪我との因果関係等、「高速であった!」とする原告(団長)バイクの速度の証明に結びつく様な物的証拠は何一つ示されなかったのでした。
(そもそも私のバイクは高速ではなかったので、そんな物的証拠が存在するはずないのです…。)

 以上、物理的に何の説明にもなってない上、NASAの文献を引っ張り出す事も誤りである『無意味な鑑定』と言えます。

7、保険屋が言うNASA理論の問題点

誤りを認めれば、楽なのに…

 前述の『NASAが攻めて来た!』の@〜Bにおいて、保険屋お抱えの交通事故鑑定人は一体何を言わんとしたのか? もう少し噛み砕いて説明します。
 まず最初に、保険屋が言う時速73.8kmでの衝突は、上空21.44mからの落下時の衝撃と等しい事は、既に前述してある通りです。
 その点を理解した上で、以下を読み進めてください。
時速73.8kmでの衝突は、高低差21.44m ビル7Fからの落下に相当! 【司会者談】
え〜、それではバイクに乗った状態で上空からダイブしてもらいたいと思います!
(落下開始地点から衝突箇所までの高低差は21.44mとします。)
でもまぁ…私も鬼ではありません。。
落下地点にはクッションとしてワンボックスカーを置いてあげましょう♪
しかも、衝撃が少なく加わる様に、25°以下の浅い角度でワンボックスカーを置いてさしあげます。
何、アナタなら大丈夫!
腕で踏ん張って、しっかり頭をガードすれば生き残れるとNASAも言ってます♪(嘘)
それでは、どうぞ〜!!
 …バラエティー番組風の少しふざけた言い回しですが、前述のNASAが攻めてきた!Bで保険屋が言っている内容(原告ライダーが死亡しなかった理由)は、実はこの冗談みたいなアナウンスで言っている事と全く同じ意味なのです。
 この条件で、ビルの7F(21.44m上空)からバイクに乗って飛び降りた場合…アナタは生き残れると思いますか?

何の根拠も無い主張でも、平気で裁判に提出してくる

 【保険屋の主張】
  @ 21.44m上空からのダイブ!
(=時速73.8kmでの衝突であっても…)
  A 衝突角度が浅ければ、ワンボックスカーのスライドドアがクッションになる!

 (一瞬だけね…)
  B 腕を踏ん張って頭を守れば死なない!

 (体は衝撃を食らっても問題は無い!…らしい)

 そろそろ…保険屋の嘘に気付いた人もチラホラ出てきた所でしょう。
 同時に、私が激昂する理由についても気付いて頂けたと思います。

 原告(団長)の生死について、上の@〜Bの条件で考えてください。
 まず@は、保険屋自身が提示した先のNASAの表からも、21.44mから飛び降りたら文句無しで死亡します。
 そしてA。
 恐らくNASAのデーターでは『長い距離の間、浅い角度で衝突し続けたら、高いエネルギー状態でも生き残る可能性がある』と言っているのである。
 ほんの一瞬だけワンボックスカーのスライドドアに浅い角度で当たったところで、原告(団長)ライダーの持つ運動エネルギーは微々たる量しか減少せず、スライドドアのクッションなんて何の役にも立たずに地面に叩きつけられて、即死する事だろう。
(もしも原告バイクが高速だったなら、衝突後、原告バイクは横滑りして他の車両に衝突して別の事故を発生させる事になるはずなのです。 無論、事実無根ですが。)
 最期にB。
 いくら腕を踏ん張って頭部を守っても…体に大きなダメージが及べば、人間は死んでしまうはずです。

彼らにとって、『真実に近いかどうか?』は重要ではない

 以上、保険屋が何を考えて『NASAの資料』を用いて『原告(団長)が死亡しなかった理由』としたのかは…私としては見当もつきませんでした。
 いや、むしろ何も考えずに『原告(団長)が生きている』と言う既成事実を無視して
 保険屋「原告(団長)バイクは高速だが死ななかった!」
と、自らの矛盾を隠そうとした言動であると考える方が正しいのかもしれません。
 補償を減らす事だけを目的に、ありもしない『原告バイクが高速(時速73.8km)であった』とするでっち上げを作り上げた…何の根拠も無い残念な空想に過ぎないと言えます。(無論、物理的には何も証明されていないし、証明できません!)
 事故直後、私が真っ先に担ぎ込まれた病院で一番初めに診断された際のカルテ(下図)には、最上部に『脳挫傷』とハッキリ書かれているにも関わらず、
 保険屋「…頭も打ったであろうが際立った受傷が無い。」(乙第10号証、P6-5行目)
と、平気で寝言を言い張る連中なのです。
(図を参照頂ければ分かる通り、カルテは乙第6号証の裁判資料として裁判所に提出されているにも関わらず…です。)
 保険屋の鑑定は、事故の真実を無視した、あまりに愚かで自分勝手な主張なのです。
カルテ
≪ 一番初めに診断された際のカルテ ≫
(※画像クリックで、pdfファイルにリンク)


8、分からない事は何でも聞けば良い

少しの勇気が大きな成果を呼ぶ

 『聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥!』 分からない事は何でも素直に聞けば大丈夫です。
 知ったかぶって自分で勝手に結論を出す方が危険です。
 裁判であっても遠慮はせずに、分からない事は何でも聞いて回るようにしてください。
 裁判を経験する回数なんて人生で数える程だと思います。
 だから、分からないのが普通であり、分からなくて当前なのです。
 分からない事は恥ではありません。
 何でも、いつでも、担当の方に直接聞いてください!
 スルーする事が最も問題の有る行為なのです!!
 裁判で勝利を手にする為に、必要な行動だと思ってもらっても良いでしょう。
(地道にお願いします。)

300kgを超える物体の落下

 私は裁判で、前述の『原告バイクの速度を73.8km/h』と言い張る保険屋からの濡れ衣に対し、
 団長「物理的に全然辻褄が合わない。 何を根拠に原告バイクの速度が73.8km/hなんて高速な状態だったと言えるのか、きちんと説明してくれ。」
と何度も質問を続けたのでした。

時速40km=高さ6.29mからの落下に等しい。 時速73.8km=高さ21.4mからの落下に等しい。事故後の被告車両の写真(横)

 同時に上の図を添付した上で、速度とエネルギーの関係を例に
 団長「本件の事故で生じた破損は、時速40kmの衝突で十分説明できる!」
と指摘したのでした。
 本件事故で発生した破損は時速40kmでの衝突…即ち、『300kgの物体が6.29m(ビルの約3階)の高さから落下した時の衝撃』によって十分再現でます!(21.4mだと無理!)』と説明しました。
(停車状態からの発進だったので、実際の速度は時速40kmよりも低かった…と推定しています。)
 読者の皆さんも、厳しい目で想像してみてください。

保険屋の回答

 そして、私の(時速73.8kmだとする根拠を)「説明しろ!」のツッコミに対して保険屋が返してきた答えがコレ↓です!

図2原告(団長)バイク、フロント部分破損写真
原告(団長)バイクの速度についての説明。
≪速度とフロントフォーク破損の関係(なんて、明確に有るのか?)≫

 保険屋お抱えの交通事故鑑定人いわく、
  A、フロントフォークが曲がったら時速20〜30km前後
  B、フロントフォークが曲がって、フレームに当たったら時速55km前後
  C、フロントフォークが折れたら、時速80kmを超える

って事なんだそうな…。 (´ヘ`;) う〜ん…。

更なる質問責め

 フロントフォークの破損状況で、衝突時の速度が分かるのか?
 製造メーカーによって素材も形状も違います。
 全車、強度は同じ? そんなアホな…。
 この時点で保険屋って生き物が詐欺師である事に薄々気付いていた私は、
 団長「車種や排気量によってフロントフォークの太さや大きさは全然違うだろ!? 何を根拠にこんな事言ってるんだ? 証拠となる資料を提示しろ!」
と…ちょっと強気に、保険屋側に資料の提出を請求したのでした。
 裁判の3年間…この件に関して保険屋お抱えの鑑定人からは何の返答もありませんでした。

 信じられないかもしれませんが、交通事故訴訟は捏造だって何だって有りの世界なのです。
 被害者の方は気を引き締めてほしい。
 そして、裁判では惰性で分かった気にならずに、相手の主張に神経を尖らせて、必要な時には保険屋に説明を求める様にしてください。
 相手の保険屋が言う事をウンウン言いながら聞いている(スルーしてしまう)と、裁判では保険屋の嘘を全て認めてしまった事になりかねないのです。
 特に、相手の行った論述が正しいか?正しくないか?の判断が難しい内容については、必ず『質問』をしてください!

9、ここまで嘘で塗り固める

保険屋の理論では、バイクが空を飛ぶ

 裁判も1年が過ぎた頃、私の1つの指摘を機に、ついに保険屋は決定的な嘘を口にしたのだった。
 団長「原告(団長)バイクの速度が73.8km/hなんて、速度が高すぎる。 40km/hで十分証明できる。 行方不明になっている残り7割(※1)ものエネルギーは一体どこに行ってしまったのか?きちんと説明しなさい!」
(※1…73.8km/hの運動エネルギーの3割弱の大きさが40km/hの運動エネルギーと等しい。)
…と、私は裁判開始から再三にわたって保険屋お抱えの交通事故鑑定人に説明を要求し続けたのでした。
 そして、終にその説明について、以下の驚愕の内容が保険屋から提出されたのでした。

図3『バイクは宙返りをした』とする、保険屋鑑定人の説明
≪保険屋の理論では、バイクは空を飛ぶ!≫

 要点だけを説明すると、保険屋は「原告(団長)バイクは衝突の衝撃で被告車両の扉を壊しながらよじ登り、最終的にグルっとトンボ返りする形で上空に上がり、地面に叩き付けられた!(その際にフロントフォークが離脱)」と、言ってきたのだった。

 もう…本当に絶句でした。。。
 物理とか全く関係ない! 完全なフィクション!
 保険屋にとって、裁判所は『空想話をする場所』らしい!!

 被告車両の損壊が軽微だったので、『原告(団長)バイクが時速73.8kmなんて高速で走行していた』なんて説明は、どう転んでも出来ない事に悩んだ保険屋は、余ったエネルギーで空を飛んだ!(被告車両に痕跡は何も残っていないが…)と言ってきたのでした。

臆病な方が、良い結果が出やすい

 バイクは空を飛んで宙返り…そんな取って付けた様な言い訳に、誰が「はい、そうですか♪」なんて言うだろうか!?
 もう、この時ばかりは、海に向かって「バカヤロ〜!」と大声で叫びたい…そんな怒りに満ちた気分でした。。。

 確かに、今の私だったら『物理的に有り得ない保険屋側の大失態』 なので、勝利の確率が上がった!と、小さくガッツポーズをするかもしれません。
 しかし、当時の私は、こんな99.9%ありえない論述を見て、瞬時に有りえない事を判断できなかった自らの弁護士さんの姿が脳裏に焼き付いていました…。
『ひょっとしたら裁判長も判断できない可能性も有るのではないか? とすると…この宙返りはヤバイぞ!?(言い分が通るかも!?)』
そんな風に考え、1人…高校時代の『文系人間の理数科目に対するアレルギー』を思い出して、1人恐怖に怯えていたのでした。 o(;-_-;)o ドキドキ…

 実は、この裁判で私は 『なぜ物理的におかしいのか?』を、なるべく詳しく記述する様に心掛けました。
 その時、文系の人でも理解し易い様に図を描いたり、例を挙げて説明したり…と、最低限、自分の弁護士さんに理解してもらう事を目標に掲げ『誰にでも分かり易い書面』を作成する様にしたのでした。
(弁護士さんに何度も推敲してもらいました…。)
 この『誰にでも分かり易い書面作り』は、最終的に裁判所から依頼を受けた大学教授Y氏が下した工学鑑定の結論として、
 大学教授Y「全般的に物理学的には自己矛盾のみられない、ほぼ妥当な説明である。」(後述の資料『教授の鑑定結果』のP13を参照)
と、100%の肯定に近い判断が裁判所側から為される上で、非常に大きな効果を発揮したのでした。
(…と言いますか、小心者の私は裁判でも嘘偽りは一切口にしていないので、私が言ってる事は全部『本件事故の事実』なのです。。。)

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2、世の中は『資本主義』で動いている!     

3、道が無ければ自分で作れば良い!       

4、真っ向から対立する『事故の状況』      

5、伝言ゲームで最初と最後の内容が変わる原因は?

6、事故が起きたら…  

7、だから俺はやってないんだって!       

8、一目瞭然の状況にも関わらず、補償を行わない 

9、なぜそんな保険屋の横暴がまかり通るのか?  

10、むしろ、大損しない方法を考えろ!      

11、まず第一に、マイ・オピニオン!       

12、自動車損保にご加入の皆様にお願いがあります 
1、事故直前の状況証拠  

2、保険屋が言う時速73.8kmとは!?        

3、敵を知り、己を知らば…

4、NASAが攻めて来た!@            

5、NASAが攻めて来た!A            

6、NASAが攻めて来た!B            

7、保険屋が言うNASA理論の問題点        

8、分からない事は何でも聞けば良い         

9、ここまで嘘で塗り固める

1、敵はなぜ衝突角度を『浅く』したがったのか?   

2、衝突角度によって生じる状況証拠         

3、駐車中の車両にぶつかるはずだ!         

4、悪あがき       

5、良いトコ取りなんて出来ない様になっている    

6、自分を信じろ!    

7、裁判でも保険屋が有利なワケとは?        
1、大学教授の言う事が…全て正しいワケじゃない!  

2、教授が犯した3つの過ち!            

3、ポカ1:被告車両の速度を時速18kmとしたミス  

4、ポカ2:被告車両が右折を開始した場所      

5、被告(加害者)車両の衝突角と回転半径の関係   

6、被告車両の速度は時速 18kmではなかった   

7、ポカ3:見当違いである原告バイクの速度     

8、以上より、教授の出した鑑定は誤っています    

9、大学教授から受けた洗礼

1、注意事項       

2、メールフォーム    

3、交通事故社会と交通事故鑑定人